講師業というのは、「知ってることを伝えればよい」というわけではありません。
葵桜の着付けレッスンには、
「生徒さんの習得が早くて忘れにくい」仕掛けがたくさんあります。
人それぞれ、物事の理解の糸口やスピードが異なります。
そして、人それぞれ理解するために使っている感覚の優位性も、
異なります。

優位感覚とは
物事を理解する際に、無意識に使っている感覚のことを、
優位感覚と言います。
・目で見たものを理解するのが得意な人
・耳で聞いて理解するのが得意な人
・やりながら理解するのが得意な人
あなたの優位感覚チェック
では、あなたは、
「海」と聞いて何を思い浮かべますか?
・青い空と青い海を思い浮かべる人
・波の音を思い浮かべる人
・水を触った感覚がよみがえる人
これらは、
・真っ先に情景が思い浮かぶ方・・・視覚優位
・真っ先に音が思い浮かぶ方・・・聴覚優位
・真っ先に感覚がよみがえる方・・・感覚優位
に分けられます。
優位感覚は人それぞれ異なることを知った上で
着付けレッスンで気を付ける点
・先生が動いている様子を目に焼き付けて覚える方もあれば
・先生が手順を口にしている言葉を耳に記憶しているかたもある
・見ても聞いてもわからんけど、とりあえずやりながら覚える方もある
そして、そのタイプの違いにより、
習得のスピードも異なります。
優位感覚別習得スピード
<視覚型>目で見たものをすぐに形にできるタイプ(習得スピードが早い)
<聴覚型>音声で理解するタイプ(少数派)
<体感型>とにかくやってみる・やって覚える(とりかかるのは早いが習得スピード遅い)
上の3つのパターンは感覚優位別で書いていますが、
これに当てはまらないケースもあります。
それは、
<理論型>頭で理解してようやく手が動かせるタイプ(とりかかるのが遅い)
そして、それを知った上で、講師が気を付けることは、
「あの人は習得が早い、遅い」とかではなく、
違うタイプの存在があるということを知るということ。
※前半に出遅れがちなタイプの方も後半には追い付き、
最終的には全員がゴールできるように組み立てる
全ての方が必ず習得できるようにどのように組み立てているか?
異なるタイプの全ての方に理解してもらえるようにするために、
色んな方法でアプローチする必要があります。
①(一緒にやる前に)お手本を見せる<視覚型にアプローチ>
②やりながら口頭で手順を伝える<聴覚型にアプローチ>
③実際に一緒にやってみる<体感型にアプローチ>
※疑問が沸いたとき「なぜそうのか?」を説明して理解してもらってから進める<理論型にアプローチ>
といった順序で、レッスンを繰り返しています。
着付け教室の先生の中には、着物を脱がずに教えられる教室も多いですが、そうすると視覚型の人には伝わりにくいです。
そして、聴覚タイプの方にも理解してもらうには、「これをこうして」といった表現をするのではなく、《隣の部屋から聞いていても動作がわかる》ように言語化する必要があります。
また、最初に完成形を見せずにいきなり始めると、感覚型の人にはイメージができにくい。
といったことを知った上で、レッスンを組み立てるといいですね。
この記事へのコメントはありません。